税理士法人 良知 コラム

2018年2月23日 金曜日

『金融機関対応・資金調達Q&A(その5)』

Q9:融資依頼に行ったら銀行の担当者に「役員報酬」が少ないと言われた。役員報酬が少ないと借り入れが受けられないのか?
『融資依頼を行ったら銀行の担当者に「役員報酬が少ない。」と言われた。役員報酬が少ないと借り入れが受けられないのか?』(相談者様)

A9:
融資依頼をするために決算書を提示した時に、出入りの銀行の担当者が「役員報酬が少ないですね。」と言ったそうです。併せて、新規の融資に難色を示されたので、相談者様は役員報酬が少ないと借り入れが受けられないのか?と疑問を持たれたようです。

〇金融機関が新規の融資を検討する時には、まず現状の財務の健全性を確認します。
・簡易キャッシュフロー(税引き後利益+減価償却費)を確認します。
・この簡易キャッシュフローの要素となる税引き後利益を確認するために、販売管理費も確認します。
・この時、役員報酬が過少であれば、本来もっと役員報酬が必要となるため、税引き後利益が少なくなるのではないか?と考えたと推測できます。
・金融機関が考える役員報酬額に置き換えた時、簡易キャッシュフローが極小であったため、新規融資に難所を示されたようです。

〇役員報酬の多い・少ないでなく、実態の税引き後利益がポイントです。

※融資審査時の財務診断は他にもあります。簡易キャッシュフローの診断はほんの一部です。

◎当事務所において、診断を行った結果、奥様の所得が給与に計上されており、社長様の役員報酬は過少であっても、世帯所得は常識の範囲内である。役員報酬の是正(税引き後利益の減額補正)は必要ない旨を、銀行担当者に説明することで、理解を得ました。誤解を解きました。金融機関との折衝は、当事務所が行いました。必要な金額の新規融資を調達できています。


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投稿者 税理士法人 良知