税理士法人 良知 コラム

2018年2月28日 水曜日

資金調達実践コラム『短期借入と長期借入について』

『短期借入と長期借入』について・・・それぞれの特徴と利用時の注意点を解説します。

借り入れには1年以内に返済期日の到来する短期借入と、返済期日が1年超の長期借入があります。運転資金の借り入れは短期借入で行うのが一般的でしたが、近年は運転資金の借り入れも長期で行うことが多くなっています。「長期運転資金」という名目です。

◆短期借入と長期借入の違い
短期借入と長期借入は、返済期間だけでなく、「返済原資」も違います。返済原資とは、返済に充てられる資金のことです。短期借入の返済原資は売掛金の回収金です。モノやサービスは売れたが、代金の回収までに時間を要する場合、その資金ギャップを埋めるために利用するのが短期借入です。よって、返済は回収した売上代金で行います。赤字の会社でも短期融資を受けられることがあるのは、返済原資が利益ではなく売上代金の回収金であるためです。

一方、長期借入の返済原資は利益と減価償却です。よって、赤字、かつ将来も利益が出る見込みがない場合は、返済原資がありませんので長期借入は困難です。

◆短期借入と長期借入のメリット・デメリット
短期借入の返済方法は期日一括返済であることが多く、期日に期限を延長してもらえるならば、ずっと返済をしなくても良いというメリットがあります。しかし、きじに期限を延長してもらえなかった場合は、まとまった返済資金を用意しなくてはならない点がリスクです。
長期運転資金は毎月一定の約定返済があるため、計画的に返済をしていくことが可能です。しかし、1000万円の資金ギャップを埋めるためには1000万円の借り入れをしても、約定返済分は資金が不足しますので、実際に必要な金額よりも余分に借りなくてはならないという点がデメリットです。

◆短期と長期どちらで調達を行うべきか
資金繰りの観点から考えると、毎月発生する資金ギャップ(経常運転資金)は約定返済のない短期借入で調達し、利益は返済に回さずにキャッシュを積み上げることで資金繰りは安定します。投資回収に長い年月を要する設備投資や、更なる売上拡大に挑戦するための運転資金(増加運転資金)は、利益が出るまでに時間を要するため、長期借入で調達した方が資金繰りは安定します。

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2018年2月27日 火曜日

『金融機関対応・資金調達Q&A(その6)

Q12:「リスケジュールの交渉中だが、直近に借り入れた銀行分だけは、返済額も少ないので返済を続けようと考えていたが、他の金融機関が強硬に反対してきた。ダメなのか?」

A12:
数か月前に融資を受けたばかりの金融機関にリスケジュールの相談をしたら、厳しい口調で叱責されたそうです。であるならば、その金融機関に対しては返済を続けて、他の金融機関にはリスケジュールをお願いしようと他の金融機関に相談したら、他の金融機関に断られた、との相談です。

〇融資の借り入れを行ってすぐに返済猶予を求めることは、そもそも返済できないことがわかっていたのに借り入れを行ったのではないか、との疑念を生みます。返済できないことがわかっていて借り入れを起こす行為は、信義に反します。程度加減によっては法律に違反する犯罪行為になります。新規借り入れ直後の返済猶予は認められないケースがあります。

〇金融機関に対して返済猶予などの金融支援を依頼する時は、衡平でなければならないとするルール「衡平性の原則※」(=すべての金融機関に対して衡平に金融支援を受ける。)が適用されます。ある金融機関にのみ返済を続ける、このような例外は原則成立しません。この場合は、返済猶予依頼先の金融機関の同意が得られません。
このままでは、すべての借り入れに対してリスケジュールが出来ません。
※一部例外があります。

◎当事務所にて、状況の確認を行った結果、当該事象は、直近の借入後の予見不可能な緊急事態による急激な業績の悪化が原因であり、借入時においては予見が難しかった旨を、対象金融機関に丁寧に説明しました。一部担保(実質価値は小さい)を追加で提供して了解を得ました。(これも厳密に言うと「衡平性の原則」から外れますが。)
借入先の全金融機関からリスケジュールの承諾を得ることができました。
当事務所が、モニタリングを継続し、会社様のサポートと金融機関への窓口業務を担っています。

※銀行融資プランナー協会の正会員である当事務所は、クライアントに『お金の心配をできるだけしない経営を行ってもらう』ための新しい機能(=金融機関対応を含む財務の機能)を持つことを宣言いたします。
我々は、『税理士』ではなく、『新・税理士』です。
遠慮なくご相談ください。
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2018年2月26日 月曜日

『金融機関対応・資金調達Q&A(その6)』

Q11:「新しい設備投資計画書を示しながら新規の融資を打診したが、計画書の内容を確認するまでもなく、『融資は難しいです。(銀行担当者)』」と言われた。

A11:
精魂込めて作り上げた投資計画書を確認してもらえない段階で、融資を断られたことに納得がいかない様子の相談者様でしたが・・・金融機関は、新規の融資を検討する時、まず、直近の決算書(及び試算表)を確認します。この決算書と足元の推移が健全であると判断した時に、新規融資の検討を開始します。健全でなければ、新規融資の検討自体を行いません。

〇直近の決算書(及び試算表)の確認方法は・・・
1.直近の決算書から簡易キャッシュフロー(税引き後利益+減価償却費)を確認します。この簡易キャッシュフローの金額が、現時点の借入総額の10分の1以上であることが最低条件です。
2.債務超過でないことが必要です。
※1又は2が突出して優良な時、または、提供できる担保がある場合など、上記の限りではありません。上記はあくまでも簡易的な診断です。実際には、突っ込んだ財務分析を行います。

〇1と2を満たすとき、現時点においては健全である・・・と判断されて、新規融資の検討、投資計画書の確認を始めます。直近の決算書の確認で融資できないとなれば、当然投資計画書の確認は行いません。

◎当事務所にて、診断を行った結果、新規融資を受けられる可能性は極めて低いことが分かりました。相談者様に対しては、融資を受けられない理由、どうなれば融資を受けられるのかをご説明して納得いただきました。

※銀行融資プランナー協会の正会員である当事務所は、クライアントに『お金の心配をできるだけしない経営を行ってもらう』ための新しい機能(=金融機関対応を含む財務の機能)を持つことを宣言いたします。
我々は、『税理士』ではなく、『新・税理士』です。
遠慮なくご相談下さい。
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2018年2月24日 土曜日

『金融機関対応・資金調達Q&A(その5)』

Q10:「雨が降ってきたから傘(お金)は貸さない、晴れている時は傘(お金)を貸すと言う」
銀行とはどんなところだ?(憤り)

A10:
6ヶ月前に融資を受けませんかとの提案をいただいたそうです。その時は断ったが、その後、主要な取引先との取引がなくなって、業績が悪化して赤字に転落しています。(試算表ベースで大赤字です。)同じ銀行に融資依頼を行うも、「融資出来ない(銀行担当者)」との回答だったそうです。

〇金融機関は総じて、「雨が降っている時には傘を貸しません。晴れたら傘を貸しに来ます。」金融機関にあるのはすべて「日傘」ですから当然です。金融機関にある傘はすべて「日傘」であって「雨傘」でないことを理解してください。金融機関対応はこの趨勢を理解して行わないと本事案のような間違えを起こします。

※「雨傘」は、国策としての制度融資や制度保証として時々貸し出しされる例外です。

◎当事務所にて財務診断を行いましたが、足元の業績の悪化が顕著で、新規借り入れの返済原資となるキャッシュフローの見込みが立ちません。新規借り入れは無理です。

・経営改善計画書を作成して既存借り入れのリスケジュール(返済金額0円)を即座に実行しました。
・資金繰りシュミレーションを継続的に行いながら、資金ショートの回避と収支バランスの改善に、財務部長として継続してご支援させていただいています。
当事務所のサービス「資金繰り円滑化サービス(財務部長の代行業務)」を導入いただいています。社長様の経営改善を資金繰り・財務面で継続的にサポートできています。収支改善の目途がつけばいち早く、資金調達にチャレンジします。(この時は、リスケジュールを同時に解消します。)

※本事案においても、6カ月前に提案された融資を受けておれば、経営改善のための手持ち資金に余裕を持てたはずです。本事例については、ぜひ記憶にとどめておいてください。

※銀行融資プランナー協会の正会員である当事務所は、クライアントに『お金の心配をできるだけしない経営を行ってもらう』ための新しい機能(=金融機関対応を含む財務の機能)を持つことを宣言いたします。
我々は、『税理士』でなく、『新・税理士』です。
遠慮なくご相談ください。




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2018年2月23日 金曜日

『金融機関対応・資金調達Q&A(その5)』

Q9:融資依頼に行ったら銀行の担当者に「役員報酬」が少ないと言われた。役員報酬が少ないと借り入れが受けられないのか?
『融資依頼を行ったら銀行の担当者に「役員報酬が少ない。」と言われた。役員報酬が少ないと借り入れが受けられないのか?』(相談者様)

A9:
融資依頼をするために決算書を提示した時に、出入りの銀行の担当者が「役員報酬が少ないですね。」と言ったそうです。併せて、新規の融資に難色を示されたので、相談者様は役員報酬が少ないと借り入れが受けられないのか?と疑問を持たれたようです。

〇金融機関が新規の融資を検討する時には、まず現状の財務の健全性を確認します。
・簡易キャッシュフロー(税引き後利益+減価償却費)を確認します。
・この簡易キャッシュフローの要素となる税引き後利益を確認するために、販売管理費も確認します。
・この時、役員報酬が過少であれば、本来もっと役員報酬が必要となるため、税引き後利益が少なくなるのではないか?と考えたと推測できます。
・金融機関が考える役員報酬額に置き換えた時、簡易キャッシュフローが極小であったため、新規融資に難所を示されたようです。

〇役員報酬の多い・少ないでなく、実態の税引き後利益がポイントです。

※融資審査時の財務診断は他にもあります。簡易キャッシュフローの診断はほんの一部です。

◎当事務所において、診断を行った結果、奥様の所得が給与に計上されており、社長様の役員報酬は過少であっても、世帯所得は常識の範囲内である。役員報酬の是正(税引き後利益の減額補正)は必要ない旨を、銀行担当者に説明することで、理解を得ました。誤解を解きました。金融機関との折衝は、当事務所が行いました。必要な金額の新規融資を調達できています。
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