税理士法人 良知 コラム

2018年2月22日 木曜日

『金融機関対応・資金調達Q&A(その4)』

Q8:信用保証協会の保証付き融資、新たな借り入れを依頼したら、「前回の借り入れが資金使途違反に当たるので、新たな保証はもらえない。(銀行担当者)」
   『信用保証協会の保証付き融資、新たな借り入れを依頼したら、「前回の借り入れが資金使途違反にあたるので、新たな保証は出来ないと保証協会に指摘された。前回融資分の完済も依頼された。(銀行担当者)」』(相談者)

A8:
該当する融資の詳細を確認したところ、
・当該融資は設備投資資金
・借入金額と投資資金の金額は同額、問題なし
・借り入れ日の前に当該資金を支払い済み、これが資金使途違反に当たります。
※大変厳しいように感じますが、信用保証協会の保証付き設備投資資金は、当該資金の入金後に、当該設備投資費用を支払う必要があります。この順番が逆転した領収書で指摘を受けます。

〇信用保証協会の保証付き設備投資資金は、その保証金額と投資資金額の整合性だけでなく、その支払い時期についても、厳格なルールがあります。

〇(参考)日本政策金融公庫の設備投資資金は、
・その金額が1,000万円以下の時は、決算書提出時に結果をトレースされます。
・その金額が1,000万円超の時は、投資実行後にその結果をトレースされます。
・支払日については、その期間の幅を認めてくれます。
※設備投資資金として調達した資金を、他の用途に利用することは出来ません。少なくとも、次回以降の融資が受けれません。本来は完済を求められます。

◎当事務所にて、支払い時期ずれについてその悪意がない旨を、銀行を通じて信用保証協会にお伝えすると同時に、当該銀行の協力を得られたので一旦完済した後に、再度必要資金の調達を行うことが出来ました。信用保証協会の寛容な判断、銀行の協力、何よりも会社様の業績が極めて良好であったことが、解決できた理由です。
その後、資金繰りシュミレーションの継続と、タイムリーな資金調達を行う当該事務所のサービス「資金繰り円滑化サービス」を導入いただいています。社長様の営業戦略を資金繰り・財務面で継続的にサポートしながら、このような金融事故を未然に防ぐこともできています。

※銀行融資プランナー協会の正会員である当事務所は、クライアントに『お金の心配をできるだけしない経営を行ってもらう』ための新しい機能(金融機関対応を含む財務の機能)を持つことを宣言いたします。
我々は、『税理士』ではなく、『新・税理士』です。
遠慮なくご相談ください。

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2018年2月21日 水曜日

『金融機関対応・資金調達Q&A(その4)

Q7:日本政策金融公庫の創業融資、自己資金の要件は?「支払い済み領収書では証明にならない。(公庫担当者)」

『創業融資依頼時点ですでに支払いを済ませた店舗保証金分の領収書を提示したが、これでは自己資金の証明にならないと、公庫担当者に言われた。』(相談者様)

A7:
日本政策金融公庫の創業融資の要件の中に、自己資金を有すること「・・・創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる方。」とする項目があります。

〇ポイントは自己資金の出所の証明です。
・この資金は、確実に当該事業の資金として利用されること
・短期的な返済等を必要とする資金でないこと
・創業者が自分自身で蓄積した資金が好ましい
とされています。
※長期間に渡る計画的な貯蓄等は、創業者の堅実性の証明にもなります。

〇短期的に資金を借り入れなどで調達し、それを自己資金と称し、日本政策金融公庫から融資を受けた資金で返済する、このようなことにならないために確認されます。
・領収書は支払いの証明書であり、その資金の出所の証明にはなりません。
・求められているのは、出所の証明です。支払いの証明ではありません。

◎当事務所にて、当該資金の出所のエビデンス、本案件の自己資金は、親御さんからの支援が大半を占めており、その親御さんの銀行口座の残高の確認、その残高蓄積の経緯、その資金が相談者様に移行したエビデンスを準備して公庫の融資依頼資料として提示し、その詳細を説明することで、理解を得ました。
金融機関との折衝は、当事務所が行いました。必要な金額の創業融資を調達出来ました。
※親御さんからの援助資金を自己資金とするとき、その資金のエビデンスに当たる親御さんの預金通帳等の開示も求められます。

※銀行融資プランナー協会の正会員である当事務所は、クライアントに『お金の心配をできるだけしない経営を行ってもらう』ために新しい機能(=金融機関対応を含む財務の機能)を持つことを宣言いたします。
我々は、『税理士』ではなく、『新・税理士』です。
遠慮なくご相談ください。


  
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2018年2月19日 月曜日

『金融機関対応・資金調達Q&A(その3)』

Q5:当社の借入可能額を知りたい。それに合わせて新しい設備の投資額を決めたい。

『新しい設備の投資を検討しているが、その投資規模を決めるために、当社が借り入れ可能な金額を知りたい。いくらまで借りられるのか教えてほしい。』(相談者)

A5:
金融機関から新しい借り入れを行う時には、まず現状の確認が必要です。

〇最初に現状の確認を行います。

1.直近の決算書から簡易キャッシュフロー(税引き後利益+減価償却費)を確認します。この簡易キャッシュフローの金額が、現時点の借入総額の10分の1以上であることが最低条件です。

2.債務超過でないことが必要です。
※1又は2が突出して優良な時、または、提供できる担保がある場合など、上記の限りではありません。上記はあくまでも簡易な診断です。実際には、突っ込んだ財務分析を行います。1と2を満たすとき、現時点において健全であると判断されて、
新規の借り入れを受けられる可能性が高くなります。

〇次に、検討中の設備投資を行った時の収益を見積もります。

3.新しい借り入れの返済を、新しい設備投資を行った収益で賄えること。

4.現存の収益と新しい収益で、既存の借り入れと新しい借り入れの返済を賄えること。
3または4の時、理論的には借り入れは可能です。
※新しい設備から生まれる収益を、過度に見積もると、その蓋然性の説明が難しくなります。注意が必要です。

〇上記の検証を行いながら、最適な投資額を決めます。金融機関には、最適な計画書を作成して、新規の融資を依頼します。

◎当事務所にて、決算分析・設備投資計画書(返済計画書)を作成し、金融機関に対して借入れの申込みを行いました。金融機関との折衝は、当事務所が行いました。必要で最適な新規の投資資金を調達できました。

※銀行融資プランナー協会の正会員である当事務所は、クライアントに『お金の心配をできるだけしない経営を行ってもらう』ための新しい機能(=金融機関対応を含む財務の機能)を持つことを宣言いたします。
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2018年2月17日 土曜日

『金融機関対応・資金調達Q&A(その2)』

Q3:希望する調達額を満額借りれないので出店できない?

『新店出店資金として2,000万円の調達を希望する旨を、保証協会付融資で取引のある某銀行に依頼したが、新店出店のための希望調達額2,000万円に対して、保証協会から1,000万円の保証しか取れない(※事前相談時の非公式なコメントと推測できます。)、とする某銀行担当者のコメントが返ってきた。』(相談者様)

A3:
決算書と足元の業績を確認させていただいたところ、確かに資金調達はできそう、一方、2,000万円の希望金額は金額が大きく容易ではないことが想定できました。また、某銀行は規模の大きい銀行であり、この会社様がプロパー融資を受けることが難しいことが推測できます。
〇現状は・・・
・希望調達額2,000万円、調達候補先は保証協会保証付き某銀行からの融資・・・1,000万円
〇当事務所では、融資の戦略を練り直します。
・保証協会保証付き某信用金庫からの融資・・・1,000万円
・同じ某信用金庫プロパー融資・・・300万円~700万円
・日本政策金融公庫からの融資・・・700万円~300万円
ポイントは、保証協会付融資に付加してプロパー融資を引き受けてくれそうな信用金庫(信用組合)を探して、さらに、日本政策金融公庫にもお願いをして、上記の3つの引き出しから合計2,000万円を調達する協調融資を目論むことです。

当事務所にて、決算分析・出店計画書(返済計画書)を作成し、某信用金庫と日本政策金融公庫に対して、合計2,000万円の調達に動きました。当事務所が主体的に対応しています。
結果、合計2,000万円の出店資金の調達に成功しました。
希望通りの新店出店が実現しています。
新規の借り入れが出来そうな状況にあっても、その借入希望金額が大きすぎる?と想定されるとき、この協調融資は大変有効です。当事務所では、多数の実績を上げています。

※『協調融資』とは、複数の金融機関から、同時に同じ目的の資金を合算して調達する資金調達方法です。一般的に言われる『シンジケートローン』とは異なります。

※銀行融資プランナー協会の正会員である当事務所は、クライアントに『お金の心配を出来るだけしない経営を行ってもらう』ための新しい機能(=金融機関対応を含む財務の機能)を持つことを宣言致します。
我々は、『税理士』ではなく、『新・税理士』です。
遠慮なくご相談ください。

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2018年2月17日 土曜日

『金融機関対応・資金調達Q&A(その2)』

Q3:二期連続赤字、今期中の足元の業績は急回復、借り入れできるか?

『二期連続赤字ですが、今期期中の足元の業績は急回復しています。返済のみが長期間続いていて、資金繰りが厳しくなってきました。今期決算は相応の黒字を計上できそうですが、決算を待たずにこの段階で新規の借り入れは出来ないでしょうか。
金融機関の担当者に相談したら、決算が締まるまで待って下さい、と言われました。』(ご相談者)

A3:

金融機関の貸し出しの判断は、原則論として決算書を基準に行っています。期中の試算表で収益改善を示しても、決算まで待ってください、となるケースは少なくはありません。ただ、期中であっても、その業績の改善が顕著で、その改善状況をはっきりと説明できれば、日本政策金融公庫や、信用保証協会の保証付き融資を受けられる可能性があります。
〇ご相談者のケースでは、
・決算後9か月が経過しており
・その収益改善の方法が明確であったこと
・その簡易キャッシュフローの額が、総借入額と比して大きかったこと(債務償還年数は約6年)
・明らかに債務超過でないこと

上記の事実を踏まえて、精度の高い試算表を整備して解説することで、ご相談者様が希望される金額の融資を受けることができました。

◎当事務所にて、決算分析・資金繰り表(実績と見込み)を作成し、某信用金庫と日本政策金融公庫に対して、運転資金の調達に動きました。金融機関対応は、当事務所が主体的に行っています。財務目線で信憑性のある試算表作りと、資金繰りの実態と予測をできるだけ正確に提供することが、融資成功のポイントです。

※試算表の精度は総じて低い、金融機関はこのように考えています。作る側も「とりあえず・・・・」と考え、費用の売上の計上漏れを容認しているケースも少なくありません。金融機関に対して、経営の進捗状況を報告する資料であるならば、上記の緩さは看過できません。当事務所では、試算表を財務目線で正確に作成し、その分析資料を金融機関目線で作成・解説することで、クライアントの経営品質の高さを金融機関にご理解いただきます。上記のことが、二期連続赤字企業様が、期中で新規融資を受けられた要因の一つです。

※銀行融資プランナー協会の正会員である当事務所は、クライアントに『お金の心配をできるだけしない経営を行ってもらう』ための新しい機能(=金融機関対応を含む財務の機能)を持つことを宣言いたします。
我々は、『税理士』ではなく、『新・税理士』です。
遠慮なくご相談ください。

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