税理士法人 良知 コラム

2018年3月15日 木曜日

『税金の対応指針』

『税金の対応指針』・・・税金を減らすのか、借入を増やすのか、二者択一です。

「税金とどう向き合っていくか。」というのは、財務の大きなテーマのひとつです。納税が資金繰りを圧迫することもありますし、税金に対する過度な意識が、会社の成長を妨げる要因になることもあります。税金に対して、どのように対処するのが正解でしょうか。

大多数の方は、支払う税金は少ない方がうれしいでしょう。しかし、支払う税金が少ない代わりに、銀行からの借り入れができなくなっては困るはずです。税金が少ないということは、利益が少ないということですので、銀行の評価は低くなります。「税金を減らすこと」と「借入可能額を増やすこと」は二者択一です。どちらに比重を置いて経営をするのか、自社の状況に合わせて方針を決める必要があります。

また、「税金を払わないこと」が目的になってしまうと、最も重要なキャッシュフローがおろそかになることがあります。税金を減らす手法として、保険や設備投資等、さまざまな方法がありますが、大半が素直に税金を払うよりも多くの資金を必要とします。財務の第一原則はキャッシュを切らさないことですので、節税が資金繰りを圧迫しないよう細心の注意が必要です。

消費税は、お客様から事前に預かっている税金です。法人税等は利益の35%程度です。普通に考えると払えないはずはありません。しかし、税金を楽に払えるという企業様は殆どいらっしゃらないのではないでしょうか。中には、資金をかき集めて納税をされる企業様も少なくありません。

納税が重たく感じられるのは、現金化されていない利益にも税金がかかっていたり、預り金や利益が、設備投資や借入金の返済に充てられたりしているためです。したがって、売上金の回収よりも支払いが先行する企業様や、在庫をたくさん持たなくてはならない企業様は、税金の支払いが苦しくなるのは当然です。

しかし、納税が苦しいからといって利益(税金)を減らそうと考えるのは大変危険です。利益を減らせば借入も出来なくなるため、成長資金が獲得できず、いつまでたっても零細企業から脱却できなくなります。納税が苦しいときの対処法はファイナンスです。利益が現金化されるまでの資金、設備投資が利益を生むようになるまでの資金は、しっかりと借入で対応しておけば、決算の時に慌てることはないはずです。

指針のまとめです。もし貴社が、安定した売上高と利益を毎期獲得できるくらい成熟していて、また、今後借入を活用して事業を伸ばす予定もない場合は、内部留保が優先ですので、キャッシュフローに影響がない範囲で節税を行いましょう。もし貴社が成長の途上にあり、今後も借入は不可欠であるという場合は、成長資金の獲得が優先ですので、思い切って利益を出すようにしましょう。但し、納税で資金ショートを起こさないよう、常日頃から資金調達はしっかりと行って下さい。





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投稿者 税理士法人 良知